pekeqの日記

過去に書いたブログエントリから反響のあったものを抜粋しています

RTXシリーズのNATテーブル溢れ対策

RTXシリーズで、接続は切れていないのに通信できないというトラブルは、NATテーブルが溢れている可能性が高いです。

1) show nat descriptor addressコマンドでNATテーブルの利用状況を確認する

show nat descriptor addressコマンドで、「xx個使用中」となっている部分が、利用機種の制限値ギリギリになっていないかを確認する。制限値ギリギリで推移している場合は、NATテーブルあふれの可能性が高い。

機種別のNATテーブル制限値はこちら: http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/manual/rt-common/nat/nat_descriptor_masquerade_port_range.html

56.15 動的 NAT ディスクリプタのアドレスマップの表示

> show nat descriptor address
参照NATディスクリプタ : 1000, 適用インタフェース : PP[01](1)
Masqueradeテーブル
    外側アドレス: ipcp/180.xx.xx.xx
    ポート範囲: 60000-64095, 49152-59999, 44096-49151   68個使用中

2) 特定ポートのNATタイムアウトを短くする

NATタイムアウトを短くしても無難そうな、http, httpsだけ、NATタイムアウトを短くする。
参考: http://jehupc.exblog.jp/17328735/

24.9 NAT の IP アドレスマップの消去タイマの設定

nat descriptor timer 1000 protocol=tcp port=80 120
nat descriptor timer 1000 protocol=tcp port=443 120

3) 全体のNATタイムアウトを短くする

デフォルトは900秒(=15分)なので、ちょっと短くする。
24.9 NAT の IP アドレスマップの消去タイマの設定

nat descriptor timer 1000 600

4) ホスト毎のNATセッション数を制限する

特にSkype等で、1台のPCから多数のコネクションを張っている場合に有効。
24.18 IP マスカレードで変換するホスト毎のセッション数の設定

nat descriptor masquerade session limit 1000 512

MicrosoftのサイトにIPv6でアクセスできない場合があった件

先月末から先週まで、この件でいろいろ対応していたので、経緯をまとめてみました。

まとめ

  • Microsoftの一部のサイト(office.microsoft.com, azure.microsoft.comなど)で利用しているCDNが、一部のIPv6ネットワーク(OCN、さくらインターネットなど)からアクセスできない場合があった。
  • アクセスできないと言っても、ping6は通るし、80/tcpには接続できていて、HTTP GETを送って返事が返ってこないという奇妙な状態だった。
  • IPv6でアクセスできないCDNは、Azure CDNで提供されているCDNと同一のサーバーだった。
  • Azure CDNでコンテンツを公開したところ、やっぱり一部のIPv6ネットワークからアクセスできなかった。
  • たまたま、手元に未使用のサポートインシデントがあったので、Azure CDNの障害として問い合わせてみた。
  • いろいろやりとりした。
  • 結果、Azure CDNの問題は解消され、それに伴い、同じCDNを使っているサイトにも、IPv6で正常にアクセスできるようになった。
  • いろいろ釈然としない部分はあるが、とりあえず目先の問題は解消された。

時系列で細かく書いてみた

先方のサポートからの返答は、ベタで引用するとよろしくなさそうなので、最低限の引用にしています。
英文で、翻訳に自信がないところは、長めに引用しています。

6/24
Officeのダウンロード版を買って、office.microsoft.comからダウンロードしようとして、IPv6でうまく接続できないのに気づく。 そういえば、以前、azure.microsoft.comでも、使っているCDNIPv6でアクセスできなかったことがあり、hostsファイルにCDNIPv4アドレスを手で書いていたのだった。 しかし、IPv6で接続できない度にhostsを編集するのは面倒だ。 でも、IPv6ネットワーク全体からMSのサイトにアクセスできないようであれば、もっと大騒ぎになってもおかしくないのだが、ひょっとしてアクセスできないのはうちの環境だけなんだろうか?と思ってtwitterで聞いてみると、果たしてIPv6で正常にアクセスできるネットワークの方が多かった。 さらに調べると、以下のような状況がわかってきた。

  • IPv6でアクセスできないCDNのURLは複数存在するが、ホスト名の実体は、みな同じホスト名を指していた。(CNAMEが同じホスト名を指している)
  • このCDNエンドポイント(= ホスト)には、ping6は通るし、80/tcpに接続もできる。よってルーティングの問題ではなさそうだ。
  • これはAnycastアドレスのようで、問題のあるISPは大阪回り、問題のないISPは東京回りでCDNエンドポイントにアクセスしている。
  • Azure CDNも、CNAMEは同じホスト名を指しており、試しにAzure CDNでコンテンツを公開してみると、同じ問題が発生している。
  • 「接続できてもデータが取れない」場合、MTUの問題であるケースが多いが、MTUに十分収まる小さいデータで試すなどした結果、MTUの問題ではなさそうだという結論を得た。


これらの状況から、IPv6のルーティングというよりは、CDNエンドポイント側の障害じゃないかという気がしてきた。



これまで、このIPv6でアクセスできないという問題に対しては、こういう問題を問い合わせる窓口がMicrosoftにはないし、あったとしてもフォーラム等で反応が期待できないので、改善されるのをあきらめていた。
ところが、同じCDNを利用しているように見える、Azure CDNでも同じ問題が起きているということは、Azureの問題として問い合わせれば、結果として全体のアクセスが改善されるのでは?と思ったのだった。
たまたま、Microsoft BizSparkの無料サポートインシデントの有効期限が近づいていたので、失効させるよりはと思い、この件を問い合わせることにした。



6/25 - 6/29


マイクロソフトに問い合わせてから、契約状況の確認などあり、数日要した。
Azure CDNサポートは英語対応になるので、質問は英語で送れとのことで、@hideyu_k氏の協力のもと、問い合わせ文章を作る。



6/30 - 7/1


以下の内容で、マイクロソフトに問い合わせを送った。

問い合わせは、Azure CDNを実際に運用しているEdgeCast Networksにエスカレーションされ、以後は、主にEdgeCastの担当と直接やりとりすることになった。



EdgeCastからの返答は早く、以下のような返答があった。

  • 以下の免責事項を確認して、IPv6を有効にしてよいか連絡してくれ。
  • "Please note that EdgeCast has IPv6 turned on its entire network but we have been seeing traffic routing problems across the globe in delivering IPv6. In some odd cases, this can cause up to a 0.45% failure of IPv6 enabled end users to connect because networks are improperly configured. We are continuing to work with service providers around the Internet to get their networks properly functioning."
  • (EdgeCastは全ネットワークでIPv6を有効にしているが、IPv6で配信する上で通信ルーティングの問題を見いだしていることに注意してほしい。いくつかの奇妙な場合では、ネットワークが適切に設定されていないので、IPv6対応のエンドユーザの0.45%以下において、接続が失敗する場合がある。我々はISPとともに、ネットワークが正常に動作するよう作業を進めている)


上記の返答を得て、少々というか、かなり面食らった。

  • Azure CDNでは、IPv6がデフォルト無効である、というのは知らなかった。というかポカーンだ。
  • だって、IPv6有効/無効の設定があるのなら、何故CDNのエンドポイントがデフォルトでIPv6有効になっているのだ!?
  • それに、問題のないIPv6ネットワークからCDNにアクセスすると、IPv6でも問題なくコンテンツが取れるのだが…


とはいえ、IPv6を有効にすると言わないと、先に進めなさそうではある。でも、有効にすると言う前に、以下の確認をしてみた。

  • IPv6を有効にしてくれと言った場合の料金はどうなるのでしょうか?
    • 「IP v6 の有効化に費用は発生いたしません。」
  • そもそもCDNエンドポイントのアドレスを見ると、IPv4/IPv6両方ありますよね
    • "The VIP that the CNAME is pointed to is dual stacked and will show a ipv4 and ipv6 IP addresses as IPV6 . However, this will still need to be enabled on your account to function as needed without any sketchy behavior."
    • (CNAMEの指しているVIPはデュアルスタックなので、IPv4IPv6アドレスの両方が出てきます。しかしながら、正常に動作させるためには、このアカウントで(IPv6を)有効にする必要があります)
  • IPv6を有効にしたばあい、サブスクリプション全体に対して有効になるのでしょうか?
    • "Yes, once i have enabled IPV6 on your account it will apply to all endpoints on your account."
    • (はい、IPv6をアカウントに対して有効にすると、あなたの全エンドポイントに適用されます)


正直、釈然としない返答ではあったが、追加料金があるわけでもなさそうだし、まあいいかということで、この後、IPv6を有効にしてくれというメールを送った。

程なくして、「IPv6を有効にした。設定が浸透するまで6時間ほどかかるから待ってくれ」という返事がある。



IPv6が有効になったと言われてから6時間経過した後、状況を確認するが、やっぱり症状は直っておらず、「やっぱりダメなんですけど」というメールを送る。

【追記】
ちなみに、IPv6を有効にした前後で、挙動が変わったような様子は見られなかった。



7/2


EdgeCastから連絡あり。

  • 「現象を確認中だ」
  • 「問題のあるホスト上でMTRを実行した結果を送ってくれないか。network routeを確認したい」

mtrコマンドの出力を送付後、さらにwgetを送るように依頼される。

  • "wget -SO /dev/null -6 http://[CDNエンドポイントのv6アドレス]/test.html --header 'Host: azxxxxxx.vo.msecnd.net'"
  • CDNエンドポイントに対してDNSを使わずにIPアドレス直指定でアクセスしても、同様の問題が起きるかどうかを確認したかったようだ。


その後、DNS teamにエスカレーションするという連絡あり。



7/6


何の連絡もないので、「進捗どうですか」とメールしてみる。

「内部で動いてるからもうちょっと待ってて」という返事。



7/7


朝、問題のあるIPv6ネットワークのホストからwgetしてみると、コンテンツが取れるようになっていた。
Azure CDNだけでなく、office.microsoft.comやazure.microsoft.comも、IPv6で正常にコンテンツが取得できる。

EdgeCastからの連絡はまだないが、問題は解消されたように見える。



7/9


EdgeCastから、直ったというメール。

  • According to our DNS team, connecting to the IPV6 IP address for VIP cs1.wpc.v0cdn.net, is functioning properly. Internal testing is all working, please assist us by verifying on your end.
  • DNSチームによれば、VIP cs1.wpc.v0cdn.netのIPv6接続は正常に動くようになった。内部のテストでは問題ない。あなたの方でも確認してほしい)

こちらから観測する限りは、7/7から動作は正常に戻っていたが、内部のテストに数日を要したというところだろうか。

「こちらでもアクセスできている。ところで原因について可能な範囲で教えてくれないか」と返事をしたところ、ちょっとだけ状況を教えてくれた。

  • There were some ACL issues that we were previously having issues with. After we escalated this case to our DNS and Network engineering team we were able to solve this issue. Our Network team found out that there were some ACL's that needed special configurations to accomplish your request. After the ACL's on our network were modified, our DNS team were able to successfully test the azure CNAME internally.
  • ACLに以前より問題があった。今回の件をDNSとネットワークのチームにエスカレーションした結果、この問題を解決できた。ネットワークのチームが、あなたのリクエストを処理するにはACLに特殊な設定が必要なのに気づいた。ACLを修正後は、DNSチームがAzureのCNAMEを正常にテストできた。)


というわけで、設定の問題があったのを直したというのが結論のようでした。


7/10


というわけで、当初の目的は達成されたのだが、これは結局、Azureの障害という扱いになるのだろうか。

マイクロソフトに「今回の件は、『マイクロソフト製品の不具合に起因するもの』になるのでしょうか?」というのを聞いてみた。

ご質問くださいました点についてですが、
Azure CDN は基本的には IPv6 への対応を行っておりません。
免責事項に承諾いただいたご利用者様に IPv6 を有効化する
仕組みとなっているため、今回の件は不具合には該当いたしません。
何卒ご理解いただけますと幸いです。

というわけで、Azure CDNとしてはIPv6正式対応しているわけではないので、障害じゃないです、ということでした。



IPv6対応していないと言いつつ、CDNエンドポイントにIPv6がついてるとかありえなくない?とか、契約上有効かどうかに関わらず実際はIPv6でアクセスできてるってのはどうなの?とか、IPv6正式サポートすれば解決では?など、言いたいことは多少ありますが、とりあえず目先の問題は解消されたし、これらはサポート窓口で主張しても解決されないであろう問題なので、この件は、これでおしまいです。

その他、補足など

サポートにIPv6の有効・無効を依頼した前後で、CDNの挙動が変わっているようには見えなかった。問題解決後、IPv6を有効にするよう依頼をしていない、別のAzureサブスクリプションCDNを新規作成したが、何の設定もしなくても、IPv6を介してコンテンツの取得が可能だった。
おそらく、IPv6の有効・無効というのは、契約上の問題で、実際の動きには影響がないのだと思う。

謝辞

  • 翻訳を手伝ってくれた@hideyu_k氏
  • 無償インシデントを提供してくれたMicrosoft BizSparkプログラム
  • JANOGで話題にしていただいた@kunitake氏
  • その他twitter等で情報提供していただいた皆様

皆様ありがとうございました。

twitterギャルゲー

  • 仮想のSNSがあって、いろいろなタイプの女の子がいる。好みの女の子を選んでゲーム開始
  • ゲーム開始と同時に、女の子キャラのtwitterアカウントが一つできる
  • 自分がそのアカウントをフォローすると出会い開始
  • 女の子は毎日の日常をつぶやいてる。「今日も学校…どっか遊びにいきたいなー」とか
  • @つけて気の効いた返事してあげると喜ぶ
  • 女の子は独自の生活をしている。女の子の生活でイベントがあると、たまに携帯百景に画像がアップされる。「今日は○○でお買いものした!」
  • 会話していて、仲良くなるとDMがやってくる
  • DMできる仲になると、アイテム課金で服とか買ってあげることができる。買って贈り物すると好感度が上がり、着た画像がアップされる。「○○くんのプレゼント、うれしいな」
  • たまにDMで、デートのお誘いがやってくる。「どこそこで何時ね!」
  • 実際に行って、GPSで位置報告するとフラグが立つ(デートしたことになる)
  • デートイベントの際、目的地で写真を撮って送ると、ARで認識して、ベンチに座った女の子の絵とかがはめこまれた画像になって、携帯百景にアップされる。「○○くんとおでかけ!」とか、例の手書き風フォントで書いてある
  • GPSで報告しないとデートをすっぽかしたことになり、女の子の好感度が下がる。「3時間も待ったのに来なかった!ひどい!」
  • 実際に出かけて、GPSで報告しないと買えないプレゼントがある。「渋谷の○○ショップの限定トップス!」
  • たまにDMでおねだりがやってくる。「○○の靴がほしい!」行ってGPS報告してアイテム課金で買うと好感度大幅アップ
  • お出かけした場所はGoogle mapに展開されて、思い出アルバム的に参照可能
  • たまに、お邪魔アカウント(男性)が女の子に話しかける。うまく排除できないとNTRイベント発生
  • 女の子にブロックされるとゲームオーバー

追記

  • 携帯百景だと誰でも見られるから、flickrでfriend設定してプレイヤーだけに見せるという方がいいかもしれない
    • その場合も手書き風フォントは外せないですね
  • コントロールだけ自前のゲームシステムでやって、ストレージやUIはすべて外部を使うのが新しいかもしれない?

Webサーバープログラマーの明日はどっちだ

数日前のはてブで、HTML/CSSベタ打ちしていた人の今日はどうなる?ていう記事がありましたが、
最近とみに思うのは、PHP/Ruby/Java/Pythonどれでもいいんですけど、いわゆるサーバープログラマーというか、クライアント側のコード書かないプログラマーって死亡の日が近いなーという背筋の寒さがあって、いや、サーバーがなくなるわけではないと思うんですが、最終的にはCRUDだけやっとけよお前みたいな扱いになるわけですよ。で、そうなったら、別にGoogle AppEngineのDataStoreでよくね?なんでサーバー立てる必要あるんだっけ?という時代が近いのか遠いのか来ないのか。要するにFlash/JS/Ajax等のクライアントコードがロクに書けないおっさんは将来が心配なのです。まる。


だってさ、最近のFlashってクリップの表示内容というかBitmapをJPEGにできて、でもFlashだとブラウザセキュリティの問題で直接保存できないから、「Flashから受けとったJPEGを、mimeヘッダつけて返すだけのPHP」を書いてたりするわけですよ。いやみなさん平然と仕事としてやってらっしゃいますけど、この仕組みを提示されたときの自分のショックたるや、なんというかもう俺はいるんだろうかという、よくわからない無力感であったわけです。


つまり私が言いたいのは、FlashJavaScriptは、21世紀のIBM 3270であったということです。

アクセスカウンタ

古い話題というか、もう議論は出尽くしているかもしれんが、
まあいまさら感は否めない。

何も考えてない

  • 毎回readして+1してwrite

排他する

  • 毎回flockしてreadして+1してwrite
    • symlinkとかバリエーション多数。なぜかうまくいかない場合があったりして悩む。大抵処理の順序が間違ってるとかNFSしてたとか
  • セマフォを使って排他
    • よく初心者向け掲示板とかで用語だけ書いている人がいるけど、実際に作った人はいるのだろうか
  • DB使う
    • updateで+1。DB接続コスト等が結構バカにならないのと結構遅いのとカウンタごときでDB使うのかという敗北感
    • GDBMなら壊れないという記述はどこまで本当なのだろうか

排他しなくていい方法を考える

  • 毎回ファイルに1バイトずつappend。stat()でファイルサイズを読む
    • 実は100万アクセスしても1MBだ。大抵の零細サイトならこれでおk?
    • truncate()でファイルサイズを変更することもできる。これならシステムコール1回で書き込み終わる
  • 毎回utime()でファイルの時刻を1秒ずつ進め、stat()で最終更新時刻を取る
    • システムコール1回で処理が完結するからatomicになるというやり方。カウント抜けは発生するが壊れない。
    • 最初にepochのファイルを準備するのがちと面倒。ファイルコピーすると情報が飛ぶとか扱いが大変
  • ファイル名にカウンタを含め、毎回rename()でファイル名変更。readdir()でファイル名を読んでカウンタ取得
  • オープンしたファイルをmmap()で開く

競合を回避する

  • メッセージキューを使ってカウントアップ処理を一箇所に集中
    • named pipe/POSIX queueなど。カウントアップ専任のプロセスが必要なのでちと面倒

追記

コメント欄の内容を足してみた。ありがとう!

梅田望夫がブロガーと語る「ウェブ進化論」ログ

梅田望夫(id:umedamochio)さんの「ウェブ進化論」発売記念イベントに、ログ係として行ってきました。


ログは、全て敬称略にて記載しております。ご了承ください。
また、ログ取りにあたり、筑摩書房の永田様にセカンダリのロガーをしていただきました。ありがとうございます。


(2006/5/4追記)私がログ係になったきっかけとなった「フォーサイトクラブ・セミナー「ウェブ社会『大変化』への正しい対応・間違った対応」梅田望夫さん講演ログ」も興味深い内容ですので、よろしければごらんください。

音声ファイルのポッドキャスティング

今回のイベント内容を録音したmp3ファイルはこちらです。

恵比寿に到着

18時過ぎに着いてしまう。早く着きすぎた。
一人だけ、受付のソファーに座っている方がいたので、声をかけたら今日の参加者の方とのこと(後でわかったが、司会の橋本さんだった)。隣に座らせてもらう。そのうち人がやってきて、会議室へ。
会議室で机のセットの手伝いなどしている間に梅田さん登場。名刺交換してみる。「今日は、はてなの名刺を出した方がいいのかな」と梅田さん。

開始前

梅田

今日のイベントの正式名、なんて言うんだっけ?

福田(担当編集者)

梅田望夫がブロガーと語る「ウェブ進化論」、です

はじめに

福田

皆さんこんばんは。
このたび筑摩書房では「ウェブ進化論」(asin:4480062858)という新書を梅田さんに執筆いただきました。


この本の中身を説明すると… 長くなるので、ごく簡単に申しますと
ウェブ社会がどういう状況にあるのか、そしてネット社会とリアル世界がこれからどう変化するのかを
梅田さんの現在の視点でまとめてもらったもの


梅田さんの前の本(asin:4104486019)から、四年半ぶりということで、
この本は現時点でのまとめではありますが、この本を読んで終わりというわけではなく、
この本を読んで、これからどうなるかという議論のきっかけにしてほしいと思って、
ブロガーの皆様にお集まり頂きました。


すでに梅田さんのブログで案内してますが、第1部、第2部と分けてます

第一部が「これからのメディアについて」、第二部が「これからのSNSとブログについて」です。


今日の司会は情報考学blogの橋本さんにお願いしています。


パネリストは第一部が梅田さん、R30さん、FPNの徳力さん。第二部が梅田さん、GREEの山岸さん、はてなの川崎さんです。

梅田

こんばんは。今日はありがとうございます。
本が出たんでイベントをやろうという会です。
一時間やるんですが、一時間でやるにしてはうるさ型が多く集まっているので、一時間で収まるとは思ってません。
でもたまに、こーゆーイベントをやると仲良くなって、
別に仲良くなってなれ合いたいわけじゃないんだけど、
仲良くなって、そこから議論を深めたいと思ってます


ここで全部語り尽くすつもりはなくて、これをきっかけにブログで議論を深めたいと思います。
私も参加します。


さて、このイベントは告知では恵比寿近辺って案内になってて、なにそれ?って思うかもしれないですが、
そこから説明します。


いまここはsalesforce.comの会議室です。
salesforce.comっていうのは、2003年ごろ、私がこの本のきっかけになるようなことを考えていたとき、
シリコンバレーが苦しい今、次の時代を担うのはどこになるんだろう?と思っていた


当時からGoogleは別格ではあったけど、何社かは他にもあるだろうと。
このsalesforce.comというのは、その中で光っていた会社。


当時ダイヤモンド社のLOOPという雑誌があって、そこで自分がUSのIT産業の要人に会うという企画があった。
そこでsalesforce.comのCEOのマーク・ベニオフさんと知り合って、
当時からのつきあいで、東京にいるときの会議室など、無料提供して頂いています。
Googleほど派手じゃないけど、間違いなくビジネス分野のあちら側を牽引している会社。


今回参加された方には、salesforce.comから情報が届きますので、よかったらblog等で話題にしてください。


さて、ここまではCMみたいなもんです(笑)
これやらないと、申し訳ないですから。


ということで、橋本さんお願いします

橋本

Passion For The Futureというブログをやっている橋本です。
梅田さんとは実は会うのが二回目です
一回目は昨年、シリコンバレーYahoo!の本社にでURLというカフェがあって、
なぜかそこでランチを食いました。
今日で二回目です。


二回目にもかかわらず、挨拶を省いたコミュニケーションができるというのは、ブログを読んでいるからかなーと思ってます
でもなんで、今日は私が司会なんだろう?と思います。


たぶん梅田さんとか、R30さんなんかは、blogでネット論とか社会論を書かれていますが、
私もそういうことは読むんですが、自分のブログは書評ばっかり淡々と書いているので
右にも左にもかかわらない、中立的な部分が司会に選んで頂いたのかなーとおもいます。


今日は、ディスカッションと質問でやろうと思います。
台本があるっていうのは1.0的だと思うのでー、言い訳じゃないですよ
パネル間のインタラクティブなやりとりとか、質疑応答からコンテンツを生成する
CGMをオフラインでやろうと考えてます


第一部、第二部両方に質問時間を設けるので、
梅田さんにライブで質問したい、ライブでトラックバックしたいという人がいたら
質問を考えておいてください。



第一部「これからのメディアについて」

橋本

第一部のテーマは、いきなりですが
日本においてメディアの淘汰がどのように行われるか
かなり堅いテーマ


今、メディアというのが明らかに変容してきている
たとえばネットは新聞を殺すのかという本が出たとか、電車男みたいなCGMが出版を殺すんじゃないかとか、
ホリエモンがTVを… 結局殺さなかったというか、逆になっちゃいましたが
殺すというほどではなく、大きく変革している流れがある。


そこに、こういうウェブ進化論が出ましたが、
最初に、梅田さんにこの本をベースに、問題提起をお願いします。

梅田

パッパッと話を展開させようと思うので、本の内容を繰り返すつもりはないんですが
ぼくはメディアの淘汰、統合、再編というのは、みんなが騒いでいるほど起きないんじゃじゃないかと思っています


インターネットの世界というのが、これからものすごく発展するというのは、この本でも書いているけど、
それはそれ、既存メディアは既存メディアみたいな、2つの別世界が相当長い間続くんじゃないかと


もちろんそれを俯瞰したら、広告費がこっちは伸びてるけどこっちは頭打ちみたいな
マクロのシフトが起きるんだろうけど
既存のメディアが変質するのはあんまりないんじゃないかと。
ネットと既存メディアの役割分担がきっちりしていて、あんまり変わったり混じったりしないんじゃないか?


と仮説として思ってるんだけど、どうよ? というのを問題提起にしましょう。

橋本

その点、既存のマスメディアの中にいながら、革新的なことを発信しているR30さんはどうでしょう。

R30

R30です。こんばんは
今日はこの話から始まるだろうなーと思って、
実はもう今日の七時に書評をアップしてます


そこに書いたは、Googleってのがなんなのかという、
Googleに対する解釈が、私なりに書いてある
Googleというのは情報の組織化のイノベーションですよね、という話


いまメディアの話を振られたので、メディアという話をすると、私が梅田さんとまったく同じ考えをしてました
ただ、メディアが変わらないというか、われわれがメディアを見る目、意識が変わってしまうだろうと


たとえば、ニュースを報道するメディアをみていると
ネットからメディアを見ていると、明らかに過剰なネタ的な取り上げ方だけをメディアがしているように見える
耐震強度偽装にしろ、ライブドアにしろ


それを見て、みんな「なんてメディアって軽薄なんだろう」と思っていると思うんだけど、
でもそれは当たり前で、そこですでに役割分担が始まっていると思っている。


Googleの果たす役割は、理知的なレベルでの、欲しい情報と、ほしがる人のマッチング
一方で、理知的なレベルの情報を必要としてないというか、もっと過剰な情報をもとめている
それが本当かどうかという議論じゃなくて、もうネタでしかないんだけど
そういうおもろいネタしか求めていない人が、実は多いんじゃないかと
そこは、Googleにはどうにもできない部分
そっち方面に、リアルのメディアはふくれていくのではないか


そういうネタ提供的な方面に、リアルのメディアを押し込むというか、押し出していくように
これからのネットが働くんじゃないかな

橋本

徳力さんは、本業はP2Pのソフトの会社をやっていて、
同時にコミュニティをやっていて、


徳力さんのやっていることは、
コミュニティの中からメディアを作り出すことをしていると思うんですけど


FPNとマスメディアとのかかわりで
運営方針とか、違いを出している部分というのはありますか?

徳力

まず、梅田さんの質問の話をすると、
私も人間の情報摂取のライフスタイルが急に変わるとは思っていないので、
既存のメディア産業が、急に変わることはないんじゃないかなと思う


わたしはいち利用者というか、ブロガーなわけなんですが、
若い人の情報摂取のスタイルが面白いと思う


例えばうちは新聞を取っていないけど、嫁さんは毎日Yahoo!トピックを見て新聞の代わりにしている
そういうネットを中心にした情報摂取によって、組織で運営されていたものが
個人に対してどう変わるかというのが興味がある。


FPNをニュースコミュニティとしてやったのは、メディアに対抗しようと思ったわけではなく
個人が出している情報を、まとめてみようと思った
ネットの中にばらばらに情報があると、結局誰にも見てもらえない
なら集めてみたらどうよ、というのを実験としてやっている


さっきのR30さんの話と絡めると、最近理解したのは
メディアの役割って、流通チャネルの部分と、コンテンツを作るという部分しかないのかと思っていたけど、
そこの間に見せ方を考える編集という要素があって、そこが結構でかいと思ってます。
そこを握っているのが、Googleだったり、はてブだったりするんじゃないかな
というのを運営しながら思っています

橋本

はてなブックマークを私も最近よく見ますが
面白いのは、結構混じっているんですよね
個人の情報とマスメディアの情報が、いくつリンクがあったかでランクされていて
同じ世界に存在している


つまり、二つの世界はあるていど並行して存在するんじゃないかなと


でも、読む時間というのは限られているわけで、
両方読めるわけじゃないですよね。
そういう意味でつぶし合い、殺し合いっていうのがおきるのでは?

梅田

マクロで見たら、つぶし合いはあるかもしれない。
でも、新聞、テレビはネットに過剰に反応している


既存メディアがアンフェアだなと思うのは、
既存メディアは製造業とか他の産業に、なにやってんの?もっとがんばれよ!とか言ってる
それで、ここ十年、製造業でもサービス業でも必死にやっているわけ
一方で、メディアは何にもしないで、じゃぶじゃぶの経営をやっている。
それで他人には厳しくいってる


殺すとか大げさに言うな
製造業に対して言ったことの、半分くらいは自分でやれよ!って思う
他人にあれこれ言うだけじゃなく、自分でそこまでやれば、
普通に生き残れると、メディアに対して思っている


みんなそう思っているんじゃないかな。
だから、若い人からメディアに対する批判がわきあがる。


メディアってのは言論を持っているから、自分をおびやかすものを、
言論の力を使ってつぶしにくる。
再販制度に対する反応とか、ネットに関するネガティブな反応とか
土台を言論によって変えて、自分たちはじゃぶじゃぶな経営を続けてる。


これはきわめてアンフェア。
ここにマスメディアの問題があるんじゃないか

橋本

R30さんどうでしょう

R30

じゃぶじゃぶなメディアから、もう逃げた人です


梅田さんの言うことは正論だと思うんですけど、
人間ってのは、自分自身が学べない、成長できないって思うところには、
身を置かないとおもいます。


マクロの目で見れば、既存のメディアからネットにパイが移るというのは流れだけど、
企業の盛衰はともかく、人間個人の目で見れば、どっちにいようが関係ない。
自分が成長できればいいわけで


メディアに対する批判ってのは、去年まではさんざんやってきたんですが、
最近はどうでもいいなって思う。


今後、メディア的なものは、いろんな企業にうめこまれていく。メディア企業だけじゃなく
いろんな企業に、メディア的な経験が必要になってくる。
そういう中で、メディア的な経験が、確実に流動化できるという時代が確実に来つつある。


そういう意味で、あんまり悲観はしていない。


橋本

もうひとつ


混ざっている中から選び出すというものがある
玉石混合のコンテンツから、読者がいいものを選ぶ
ユーザが選ぶという意味で、ブログがマスメディアになる可能性もある。


梅田さんの本を読んで、どうなるんだろうと思ったことがあって、
玉石混合の中からいいものを選び出すしかけと、秩序が自動的にできていくということに関して
梅田さんはネットにかなり期待しているが、
その確信の根拠は?

梅田

そういう方向に進化するはずである
その中から何かが生まれてくる
とはおもっているけど、
それがメディアをおきかえるとは思っていない。


ネットの世界がより豊饒になるために、
たとえばはてブのような、自動秩序形成の仕組みがある


はてブのユーザというのは、ITリテラシーが高くて情報感度が高い人たち
ITが好きで、おたくっぽい人が集まっている。
だから、とんがったものが上がってきておもしろい


ここでユーザ数がどーんと増えてきたときに、もっととんがるかと言えば、
よくわからないし、そうはいえないかもしれない


マスコミがやっている編集機能ってのは、マスに対するリアクションの経験値を持った人が
やっている。
ネットの自動秩序形成というのは、また違うものを形成する


ネットというのは能動的なメディアなので、
ヒマがあって、自分から動く人にしか作用しない

そうするとどっかに受動性を入れないといけない
それがはてブなわけだけど、
その受動性ってのは、新聞や雑誌から来る受動性とちがうんじゃないかな?と


どんどんすすんでも、2つは別の世界
ネットで情報を得る
編集されたメディアから情報を得る


また、一人の中でも、
深く知りたい部分はネットで、
広く浅く知りたい場合は雑誌とか使い分ける
そういうのはずっと続いていく


Googleはてブを、編集者が使うとかはあるだろうけど、
二つは根元的に重ならない、
パイの取り合いはあるだろうけど

橋本

能動的と受動的
その二つって、十年後くらいには、どのくらいの割合になるの?

梅田

ネット側(能動的)の人って、全体の半分も行かないんじゃない?
半分行けばすごいと思う

橋本

それぐらいの割合だったとして
市場規模の比率は?

梅田

経済的には、既存メディアの方が圧倒的に大きいままだと思う


ここは難しいとこかなー
でも、ネットの世界というのは、なかなかお金が回らないですよ
リアルな世界はお金が回る


でも、携帯はなぜかお金が回っている
ネットはなかなか回らない
私は日本のことよくわかんないんだけど


グーグルは圧倒的低コストで、
細かいところをものすごく巨大になるように集めているから回るけど、
でも、その真ん中ぐらいのビジネスをどうするかが難しい


例えば、雑誌作って、ヒットすれば二ケタ億くらいの事業ができるかなー
くらいのカジュアルさで、
売り上げを立てることのできるメディアがネットで生みやすいかと言えば
生みにくいと思う

ぱらぱらしたものがたくさんあって、それが集まってマスになって、
それがリアルを越すかというというのは、考え方はいろいろあるけど
例えば、市場規模の半分までネットが行っても、
お金の落ち方はリアル(既存メディア)の方が多いんじゃないか

橋本

徳力さんは、FPNで、ニュースサイトをユーザ同士で運営されている感じですよね
最近は出版(asin:4798110205)までされてますが、今後の展望とかどうよ?

徳力

FPN自体はみんなの趣味で運営されているので、展望というのはあんまないです。


さっきの梅田さんの話に、あえて反論らしきことをしてみると
メディアの世界は、ここが恐ろしいところなんじゃないかと思っているんですが
さっきメディアはコンテンツと編集と流通で成り立っているという話をしましたが
流通がインターネットになって、コストゼロでメディア的なことができるとなったとき
既存のメディアの人は、コンテンツに価値があるとおもって、
自分たちがコンテンツをしっかり作れば、そこを押さえればいいと聞くんだけど

今、ポイントはコンテンツを見つけてくる、編集というのに力が集まっていて
そこをいかに押さえるかという話になっている


コンテンツを作るというのが、趣味で成り立ってしまうというのがメディアは怖い
例えばパンを作るのが趣味といっても原価がかかるからタダでは配れない


でも、ジャーナリズムというか、例えばブログみたいに、コミュニケーションを楽しんだ上で
結果としてコンテンツがどんどんできてしまうこともあるわけで


既存メディアの人は、自分たちがコンテンツを作る人たちだと勘違いして、
コンテンツに依存しすぎると、
編集する人に力がうつって、作る人がじり貧になる可能性はある


そうなったときに
いまのメディアの人たちが言っている、メディアでないとできない部分というのは
どうなるんだろうということについて聞きたい

橋本

R30さんに聞きたいんですが、
コスト度外視でユーザがおもしろがってコンテンツ作るというのは
本来お金を取れるべき部分も取れなくなることになりますが
そういうのってどうよ?

R30

梅田さんの話を聞いて
自分はもっとずっと梅田主義者というか、Google主義者だと考えている。


Googleが火をつけたイノベーション競争の重要な部分というのは、
適切なコンテンツを適切なユーザに結びつけるマッチングが、すごい効率的にできる
マーケティング用語で言えば、ネットの方がセグメントが的確にできてしまう


今まではメディアの方が、適切に広告が届きますって言えていたわけだが、
今後はネットの方が、コンテンツにしろ広告にしろ、もっと的確に届けられてしまう。


顧客のセグメンテーションというのがマーケティングの最初なわけだけど、
そこをネット側から発信する形になってくる
ネット上でセグメントされた人たちに対して、メディアの方が後からとどけてくる


セグメントされた後のデリバリーについては、既存メディアの規模を使えるけど、
マッチングの段階は、ネットが主導権を握るんじゃないかと。
そうすると、マスというのが崩壊して、マスメディアがなくなってしまう。
この地域新聞とか、この趣味の人だけ雑誌みたいな、ターゲットメディアがいっぱいできるんじゃないかと
そしてそいつらが、ネットとセットで、ハイブリッドでやってくるという時代がくるんじゃないかと思う


ネットとリアルのハイブリッド構造をつかんでいけるメディアが生き残れるのでは
おそらくそういうメディアは既存の中からは出てこなくて、
そういうことを認識している人がメディアとして立ち現れてくる


一方既存のメディアは、マスを解体されていくので、
TVなんかも、規模の経済が働くけども
一方で、電波でデリバリーされてきても、Tivoとか、DVRとかによって番組がバラされて、
マッチングされて届けられるという、そういう形になってやってくるんじゃないかと。


既存のメディアが既存のメディアとして残るかといえば
コンテンツは制作する専業体勢があるから、素人だけじゃなくて
プロが作るものというのは存在しうるとおもうんだけど、
デリバリーのネットワークで、ネットに歩み寄れる既存メディアがどれだけあるのか
というのがこれから五年ないし十年の勝負かなと思います


橋本

第一部のパネルディスカッションの最後の質問として、梅田さんに質問

R30さんのように、Googleはマスメディアを解体してしまうという
ラディカルな考え方がありうるのではないか


だとすると十年後、Googleがそこまで力をもったとして、
Googlezonはあらわれるのか?
GoogleAmazonがくっついて世界を支配するのか?という予感がするんですが
10年後、Google的なものはどういう存在になっているんでしょうか

梅田

本にも書いたように、R30さんの言った方向のことはおきると思う。
でも、メディアを解体するところまでいくのかなとは思う。


なぜなら、今いる人、あるいはこれを読む聞くしている人は
「そっち側」から見ているから、面白いと思っているけど
でも、逆の側にいる人に全然届いてない。というのを実感することが多い


私は日本の中で、よりエスタブリッシュメント層というか、
リアルな社会で忙しく働いているひとの層。
ネット世代、ネット大好きみたいな若い人じゃない人


そういうひとに、こういうことが全く理解されないという感じをもっている
そういう実感があるから、そう簡単にマスメディア解体みたいなことが起こるとは思っていない


ここにいる人たちが見ている変化が、これから十年でびっくりするほど進歩すると思っているし、
ぼくはGooglezonのビデオは、きわめて凡庸なビデオで、実際はもっと変な、すごいことが
起きるんじゃないかと思うけど、それでも、マスメディアの解体にはつながらないと思う。
ネット見て、すげーぜと言っている人の隣で、新聞を読んでいる人がいる時代になるんじゃないかな。

橋本

共存するってことですかね

梅田

いや、これを押しつけるつもりじゃないけど、
とてつもなく、このことを理解してもらうのが大変な人がいっぱいいるというのを
実感しているってことかもしれませんね

橋本

司会なんですが、最後の自分の意見を
基本的に梅田さんのご意見に似てるんですが


ひとつあるかなーと思うのは
全くネット的なものを全くわかっていない人たちの層のことを、女子高生的と言うとして
反対に、ネット的というのがあったとすると、
ところが最近、女子高生がブログを書いている


この二つの接点が、すごい若い世代で一緒になり得ることがあるんじゃないかと
最近思う
ネットリテラシーがないのにブログやってる人が、若い層でたくさんいる
その人達がこれから十年育ってきて、どうなっていくんだろうと思っている

梅田

若い世代から変わっていくというのはあると思うが
こういう変化は時間がかかる
最後には変化は起きるんだけど、想像しているよりゆっくり起きると思っている


20年後になると、R30じゃなくてU30だっけ、若い起業家の人が50歳になる
そうすると随分変わるんじゃないかという気はします

橋本

当分は1/4が老人ですしね

R30(?)

そういう締め方ですか(笑)

第一部 質疑応答 (1)

渡辺

CNet Japanで同じくブログを書いてます。渡辺です。


メディアの収益源というのは、企業のマーケティング費用とか、
消費者からの支払いになると思うんですが


大元の、産業界の方で明らかな変化が出てきていて、
2、3日前に、accentureのほうに
メディアマーケティングとバイイングの胴元をしたいという
オーダーを出した自動車会社がある
これはおそらく根本変化のスタートラインじゃないかと


平たく言うとメディアに対してネットはメタポジションにいるので、
全部をすれるポジションにいるというのがぼくとR30氏の基本認識で
立場が全く違うというのが基本認識なんですが、
企業側がメディアのストラテジーを変えはじめていることに対するご認識は?

R30

まさにそうで、
ぼくなりのWeb2.0の解釈は、フロントエンドからバックシステムへの転換


今までのインターネットというのは、皆さんの目に触れるところにあった
そういうところで、はてブみたいなのをみんなが楽しんでいる


ところが、これからは違ってきて、
例えば私と梅田さんが隣同士で新聞を読んでいたとして、
同じナントカ新聞なのに、一面から中身が違うというのが起こるんじゃないかと


バックエンドにネットがあって、どういう記事を読んでいるかを見て、
それにあわせて完全にカスタマイズしているのだが、
アウトプットとして出てくるのは紙であったり
そういうことが起こりうるのではないかと


企業が狙っているのも、ネットをもっとメタに見て、
その後ろで動くシステムとか、
プランニングとかポートフォリオを考えるシステムを、Webで何とかしてよ、
そこのウォッチングシステムを作ってよ
と言うのが、さっきの自動車会社のオーダーじゃないかな

梅田

ぼくはあんまりそうならないんじゃないかと思う。
いつも思うのは、理論的にこうなるというのがあっても、
理論よりどんどん進むところ、進まないところがあるなと思う。


二十年近くシリコンバレーを見てきて思うのは、とにかく理論は出てくる
こうなってこういう世界になるという理論があって、
予測以上にどんどん進む場合もあれば、
かけ声倒れでダメになる場合もある


ある理論が出てきたときに、
ベンチャーとか、それぞれの可能性に対して1個できるけど、
それがつぶれたり、生き残るのを見ると、
例えば企業といっても、(ベンチャーが)おつきあいしているのは企業の中ですごい先進的な人たち。
それが企業全部に波及するとか、先端産業が他のところに普及するとか
そういうときに、ぐーっと普及するものもあれば、
全然そうならずに理論倒れのものある、


いまの2人の議論というのは、ぼくとしてはあんまり起きないんじゃない?
という直感がある。

橋本

進化の速度を弱める圧力というのは何なんでしょう?

梅田

世の中、ここにいるような新しい物好きな人ばっかりじゃないっていうことですよ。
あと、新しい話というのは、お金をあまり産まないというのが自分のベースにある


例えば、レコードがCDになった、全部CDになったじゃないというのが
よくリアルとネットのアナロジーで出てくるけど、
ネットとCDの決定的な違いがあって、
レコードからCDというのは、関係者全員が行きたかった


ミュージシャンは音がよくなるし、レコード会社は高い値段を付けて、コストが安くなる
全員にインセンティブがあったから、みんなが行きたかった。
唯一、プレイヤーを作っていた人だけが気の毒なことになってしまったけれど、
残りのマジョリティはCDに行きたかった


今は必ずしもそうじゃない。
売り上げ一兆の会社なら、最初はトライアルをやるけど、
その後一気にやるかといえばどうかな
そこで進化の速度が変わってくると思っています

渡辺

日米のシナリオには違いがあるので
日本ならばそういうことになるのかなと思うんですが
そのへんふまえてどうでしょう


USのほうがGoogle的な方に行きやすい産業構造になっているので
メディア産業が成立していて、資本の動きが解体に進みやすい


日本だと電通的というか、ブロックされた状態なので
急には行かないかなと

梅田

いまは日本の話をしました。

橋本

進化のスピードについて、まさに「ウェブ進化論」みたいな話をいただきました

第一部 質疑応答 (2)

ck

デジモノの人です


変化のスピードがそう進まないんじゃない?という話をしていたけど、
一般の人たちにアピールするために、私たちはどうしたらいいんだろう?
梅田さんの後ろを押すためになにをしたらいいのか? 努力の仕方はあるのか?

梅田

努力の仕方ってのは、
ひとつはこの本を書いた理由のひとつとして、言葉を尽くすことの重要性ということ


自分たちがよくわかっていることを、ぜんぜん知らない人たちの前で、
ちょっと話してすぐあきらめる、というのをよく見ている
そういうことでは、なかなかブレイクスルーは生まれない


全員にいきわたらせることはムリだとしても、
ちょっと言葉を尽くせばわかってもらえるというのはできるだろう。
そうしないと、お金をあつめてプロジェクト起こしたりするのも大変だ


そういうことに、この本を活用してくれるといいかなと
その延長線上に、サービスを作る、
リソース投入する、人やお金を集める


その前提に言葉がある。言葉を磨くのが重要
それを信じて、私はブログ書いたり本書いたりしてます。

R30

私はそのへんには楽観的で、
面白いコードかけばいいんじゃない?そうすれば面白いものが見られるから
同意してくれる人も増えるんじゃないかと


自分自身も粘度の高い組織の中で
ちょっとした変革プロジェクトをやったことがありますが、
結果を出すのが一番早い


人間、見ないとわからない
見せてしまって、ああすごいね、面白いねと言ってもらうのが先じゃないかなと
そのレベルの話ではないかなと


コード書ける人はどんどんコード書いて!
コード書けない人はblogどんどん書いて!
どっちもできない人はマネージして!
それ以上でも、それ以下でもないんじゃないかなと

徳力

ckさんの問題意識はすごいわかる
私も大組織出身なのでおなじ考えなんですが、


私はFPNやったり、頼まれてもいないのにアルファブロガー投票企画やったりとかしてますが
これは自分がネットのおもしろさにハマっているのの一環で、
みんなにそのおもしろさを伝えたいと思ってやってると思っていたんですが
最近考えが変わって、
R30さんがいうように、思ったより速いスピードで伝播していると思う。


小学生でもブログ書いているし、
増田さんという方の団塊の世代向けブログの本(asin:4047041874)がすごい売れて、
退職した後でブロガーになる人が増えているらしい


ブログに限らず、コミュニケーションは楽しい。
楽しいことをやって、楽しそうにしていれば、自然と増えるのかなと思う。


たまたま身近にわかってくれないひと、うちは奥さんなのですが、
そういうのがストレスになったりもしますが、
その人達も変わっていくんじゃないかと
携帯メールを自分の親がやるなんて思わなかったし。
面白ければ自然とそうなるんじゃないかと思います。

第一部:完

第二部「これからのSNSとブログについて」

第二部は、梅田さん山岸さんの掛け合いが見せ場なので、お時間のある方はぜひポッドキャストもお聞きください。

橋本

第二部は、GREEの山岸さん、はてなの川崎さんにパネリストに迎えまして、
これからのブログとSNSについてがテーマ


私はSNSもブログもハマっているんですが、
SNSは最近ネタ切れ気味な感じがする。


これ以上、中で何をやろう?
掲示板とか、やる気が起きないし
仕事中にやるとバレるし


最近SNSってどうよ?どう使われているの?
というのをGREEの動向からお話ししてもらいましょう

山岸

GREEで一番多いのは、人のプロフィールを見る、日記を見る、コミュニティやるというのが大きい
もともとGREEはプロフィールに紹介文を書けるのがウケていて
プロフィールへのアクセス中心だったけど、最近は日記が結構伸びている
新しいユーザさんは日記を結構使ってる


ユーザ間のメールも伸び続けていて、
コミュニケーションが中心なのかな。友達の動向を見たいとか

橋本

最後の議題を、ブログとSNSはどう成長するかというのにしたいんですが
成長の方向はいろいろあると思うんですが
コミュニケーションツールとか、ビジネスツールとか


SNSとしてのGREEの成長の展望は?

山岸

あんま難しいこと聞かないでくださいよ(笑)


GREE自体の基本機能としては基本機能であるプロフィールと日記を伸ばすのが中心で
細かくいじってます。改良している


機能をガンガン増やすのではなく、
基本機能の中でユーザが望むことをやっていきたい。


ただ、会社としてはどうビジネスにするかを考える必要があって、
そこをいろいろ考えてます。

橋本

梅田さんのご意見は?
梅田さんもSNS使ってますよね

梅田

最近、SNS使ってないです。最近は全然やることなくなった。

山岸

でも結構ログインしてますよね?(笑)

梅田:

ブログへのアクセスがあるんですよね
あと、日記を見てたりします
アクセスはたまにしているけど、使ってはいない


ところで、聞きたいんですけど
GREEのコンテンツってのは検索エンジンにかかるの? (かかりません:山岸)
今後はかかるの? (プロフィール、日記とかユーザ側で表明すれば出すかもしれないけど:山岸)
基本はない? (ないですね:山岸)


私はそこがブログとSNSの決定的な違いなんじゃないかなと
オープン性とクローズ性


SNSというのはWeb1.0の最後に生まれたアプリケーションであると思うんだけど、どうよ?

山岸

そうですねー
Web2.0ってのは、なんなのかなーってのを思っていて、
よくわかんないし (そうやってはぐらかさない!:梅田)
クローズ・オープンとかは違いかとは思ってはいるんですが


話はずれちゃうけど、先日の話
adobeWeb2.0関連投資担当の人が来ていて、その人の話だと
USでは、SNSってのはGoogleが唯一検索できない部分だから、
Google以外で何かあるとしたら、SNSかもねー、みたいな話があって
GREEにやってきた、という話があった


Google = Web2.0という文脈ならそうかもしれないけど、
CGMとか、そういうのがWeb2.0であるという切り口で言うと、
ユーザがコンテンツを作って、その上でコミュニケーションをしているみたいな
コンテンツの作り方とか、ユーザとサービスの関わり方とか、
新しいことをやっているわけで
そういう意味ではうちも新しいサービスをやっていると言えるんじゃないか

梅田

なるほど
まー、Web2.0の定義は、今日ここではやらないようにしましょう


ただ、オープン対クローズという問題が最後までつきまとうでしょ? (つきまといますね、はい:山岸)
クローズなところが好きだから、ブログじゃなくてSNSの中で日記を書くわけでしょ?

山岸

いや、ユーザはそういうことを気にしてない人が多い (そうかなー?:梅田)
うちのユーザがなぜGREEを使うかといえば、
ブログより友達が見に来るし、ブログ書くよりコメントがつくしみたいな、
そういう感覚ですよ

梅田

ただそういうのって、クローズだからコメントがつくわけだよね?

山岸

いやでも、GREE内検索というのがあって、検索しようと思えばできる
30万人ユーザがいる中で…

梅田

いや、未知の人がGoogleつかって飛んでくるってのはないじゃない?
GREE検索はGREEの中の話だよね。

山岸

いや、GREEの中ですけど、30万人も人がいたら…

梅田

ただ、そこが随分違うというのがぼくの感じ方 (それはまあ、そうですね:山岸)


オープンがいいとかクローズが悪いとかじゃなく、
そこに明確な違いがあって (あると思います:山岸)
それがGoogleにひっかからないとすれば
広告売るとか、会費取るというビジネスになるしかない

山岸

それはそう思います
ロングテール部分は取りにくいビジネスモデルだなと


でも、ヘッド型とロングテール型のビジネスって違いがあって
比べたらヘッドの方が大きいかなと
うちの場合は、ロングテール取れるからと言って
どんくらい売り上げがあるのかな、
取って意味があるのかなーという考え方もある

梅田

いや、SNSのビジネスを否定するつもりはないんだけど、
ビジネスが違うな、と思うんだよ
ブログとSNSは、ぼくの感じからするとすごく違うもの
CGMとか言うけど、そこ(ブログとSNSの間)には大きな、根元的な違いがあるなーと思うんだよね

山岸

それはユーザから見た側からの違いですかね
ブログをやる人、SNSをやる人の違い

橋本

川崎さん、
はてなってのはSNSとblogを両方やってますね。
SNSソーシャルブックマーク
かつオープンなもの


はてなSNSはどう成長する?というのでどうよ?

川崎

はてなってのは、SNSを指向する会社では全くない
ロングテールのビジネスというのが、はてなには重要


例えばはてなダイアリー
キーワードと連動するのがおもしろみのひとつ


キーワード、15から16万くらいあるんだけど、ひとつひとつのページビューは
ゴミみたいなもの。
少ないと一月10hit、多くても数万行けばすごいなーという感じ


ものすごい長いしっぽ
そういうのをまとめて、会社として何とかなるというのが、はてな


はてなが会社としてやっていけているのは、でっかいところは取らずに
しっぽばっかり食べているから


ロングテールのしっぽばっかり食っているのがはてな
それで回っているという感触がある


そういうのができるのは、GoogleYahoo!のサーチから
お客さんが来てくれるというモデル。
オープン性を前提としたロングテールというのがないと、はてなはやっていけない

橋本

そういうのが、1.0/2.0的な違いなのかなと… (いやいやいや:山岸)


次のテーマとしてはCGMの収益モデルについて
川崎さん、ロングテールのしっぽっておいしい?もうかる?

川崎:

かけ算じゃないかなー、かけ算したら同じかなと


SNSは閉じている故に、熱量がすごい高い、濃いコミュニケーションができる
ビューが少なくても、濃いので、「少ない×濃い」のかけ算でもうかる。
はてなは、ロングテールなので、一つ一つの熱量は少ない、薄いけど、
利用者が多いから「多い×薄い」のかけ算でなんとかなる。


あとAPIをオープンにして、外部のサイトから利用可能にして、
リミックスして、他のサイトに使ってもらう
はてなとこれの組み合わせで面白いというビジネスを広げていけたらと思っている


はてなにとってCGMっていうのは、自分たちだけで作るものじゃないで、
いろんなサイト、人とかかわって、はてなのデータを使ってCGMをつくっていければいいなと


SNSとか、GREEとかがどう考えているかはわからない
はてなは、こういう考えでやっている

橋本

梅田さんはそういう川崎さんの会社の取締役をしていますが、
それは展望がある会社だと思ってゆえだと思うんですが、


なんで役員になったんですか?
何が収益源になると思っているんですか?

梅田

ぼくはオープン・クローズの差というのに違いをすごい感じている
SNSというのは、ちゃんとやれば確実に儲かるんだろうなーという確実感があって
(お金の稼ぎ方が古いのは確かですね:山岸)


SNSWeb2.0っぽくなるためには、
ユーザ数がほんとに多くなって、インターネット空間くらいの規模になって
それぞれのユーザが作った情報をメタ的に活用して、価値を生むというのは2.0的だなーと


でも、今は確実に儲けるプランで確実に走って、IPOするか、売却するかという
そういうのをExecution Playって言うんですけど、
やることはわかっているから、やろうという、こういう感じに思う


一方、はてなはどうなるかわからない。全然わかんない
ロングテールがうまいのか、まずいのかも、やってみないとわからない。
やってみないとわからないというのを、面白いと思うからやってます。


GREEとかと比べれば、はてなはハイリスクだとは思う
ハイリスクなのはわかっているんだけど、ハイリターンとはわかってないのが
はてなの残念なところ。


そういう感じかな

橋本

SNSとか、ちゃんとやってれば儲かるという話でしたが
収益源ってどうなるの? たとえば10年後はGREEはてなは何で儲けてるのか?

山岸

今の稼ぎは、ほぼ100%広告収入
電通博報堂DACCCIなどのメディアをおさえているところ経由
一部直接もある。大手クライアントさん


これが、しばらく柱なのは確か
ただ、コンテンツの中にマッチングできるものが増えてくれば、そういうのもやるとおもう。


アットコスメさんとかはCGMの会社だと思うんですけど
そういうところはヘッド型、リーチ型の広告とか、ロングテール型の商品を組み合わせている


あっちはオーブンじゃないという話もあるけど、
うちもユーザ数が増えれば、そういうこともできると思う
そういう風になる可能性もあるかな


ただ、現在は、いわゆるマス広告です
そのうち、キーワード広告はするかもしれない


ただ、10年経ったら、例えばASPやってるかもしれないし、会社としてはわからないけど
GREEというサービスとしてはそう思ってます

川崎

はてなは、社内的には、大きく分けると自動・手動と分けていて
自動というのは、ページが稼いでくれるもの


たとえば、AdSense/Amazon/楽天のように
ページがあって、そのページになじむように広告を配置するとか
あとはユーザの目にとまるように広告を配置して、
配置するところまで。モノを入れるというのに手作業を入れない。
巨大な個人アフィリエイトみたいなのがはてな


手動というのは、山岸さんの話にあったような
はてなのここに載せたら、広告主さんが喜ぶというモデルも考えていて、
それらを組み合わせようとしている。


今の状態で言うと、巨大な個人アフィリエイターというのが
はてなの偽らざる現状。

橋本

普通に、AdSenseの画面に何千万とか何億円とか出てるんですか?
素朴な疑問

川崎

えー、お金の話はよくわかんないんですけど
個人? みたいな感じはあると思う
でも、それが偽らざるところ


あとは、昔と違って、
amazonなんか最たる例ですけど、
ああいう、事業者の組み合わせの方法によって…
たとえば、あるamazonの商品を、はてなユーザがどの時点で語ったか、
レビューを書いたかといったリストを動的に作ったりとかが、
amazon Webサービスを使えばすぐできる


あとはGoogle mapsみたいな
これも地図サービスなんて全然考えてなかったけど、
なんとなく漠としてやりたいなーと考えていたのを、
GoogleAPIを公開して、はてなのサービスとして組み合わせると、
ある地点において、写真を撮る
撮るためのサービスははてなフォトライフとしてあった。
それとの組み合わせで、全く新しい、写真と地図が組み合わさったサービスができる
そういう時代が整いつつある

かつ、amazonだとWebサービスアフィリエイトの収益が組み合わさっているので
楽しみながら、工夫によって金が儲かるものができているというのは
前と全然違う


私もネット長いですけど、
これまでのアフィリエイトというのは、ひたすら手作業でリンクをはるとか
手間ばっかりかかって全く儲からなかったけど、
Amazonなんかはプログラム可能な仕組みなので、全然違う


そういうのはこれから広がっていくと思っています。
はてはな、そのへんでいろいろやろうと思っている

組み合わせですね。

橋本

今のを聞いて、社外役員としてどうよ?

梅田

ぼくはUSでVCをやっていて、いつも外れるのは、マクロにものをみて、
こういう方向にいくから、こういう会社はうまくいくだろうと思って投資すると、
大抵投資先はうまくいかない(笑)
ということを一応前提に、マクロに見ると、いまの川崎君の言葉は正しい。
だから成功するって意味ではないということなんですけど、


ぼくが考えるに、Googleが出てきて、前後で何がわかったのかというと、
Google以後に変わったことの一例が、いまの話。


Google以後って言うのが、これからどう変わるかはわからないからリスクも高いし、
ビジネスモデルもまだ未確定。


だけど、ぼくはGoogleMicrosoft以来のプラットフォーム企業だと思っている
広く言えば、Google/amazon/eBay/Yahoo!がまとまって、インターネットの2nd decade、
10年が最初経って、これらが次の10年の中核になり、
ある種のプラットフォームになって、これからの時代をまとめていくんじゃないかという
世界観を持っている


そうやってプラットフォームになると、
Microsoftのまわりに、Oracleとか、いろいろベンダーがあったように、
四社だけウマーということではなく、その周囲にいろいろできると思う。


そういう時代的な大きな流れがあって、
なおかつ、そういう流れにあったようなビジネスモデルを試行しているとことの
誰かはうまくいくんじゃないかな、だからはてはな面白いんじゃないかな、と


こういう考えでUSで投資してうまくいったことはないんだけど(笑)
だけど、そういう考えでやってます。

橋本

事前のお題としてあった
Web2.0スタートアップのexitの仕方について


大手が買収するという未来しかないのか?という
例えばGREEも…
GREEは1.0じゃん(笑):梅田)
(いや、ちょっと、いやいえいえ:山岸)


まあそういう、最近はやりのWeb2.0企業
これの上がり方について、梅田さんどうよ?

梅田

いまのところ見えているexitは、小さなIPOか、列強に吸収されるしかない。


USでは特にVCが…
いや、あの半分冗談だから。GREEが1.0ってのは。気にせずに


小さな会社がVCに、どうやってexitするんですかと言われたとき、
どっかに買収されると、はっきり言わないとお金もらえない。
だからUSではみんな買収目指して走ってる


いまVCからお金を集めると、最終的に売却するしかないのかなーというのが結構あって、
それも含めて、はてなではVCからお金を集めてない。そういうこともある。


Web2.0の会社がここから先どうなるのか
Googleにはなれない。それはプラットフォームだから。その周りにいることになる。


Googleみたいのは、10年、15年くらい経たないと、次の新しい会社はでてこない
Googleと四つの列強の周りに、どう生き残るのか
それがこれからスタートする企業の宿命。


それが列強に吸収されるのか
それともその周りに大きなものができるのか、それがどれくらいのスピードでできるのか。


VCからお金入れるとスピードが要求される。四年、三年、五年とか
そのスピードで本当にexitができるのかどうかが、
ぼく自身について言えば、Web2.0会社、自分で言えばはてなについて、確信が持てない
だから早くexitしなきゃいけないお金はいれちゃいけないと思う。

橋本

Googleみたいなものがもう出てこないというのが、残念な感じがしますが

梅田

しばらくはね。


Microsoftと同じ。
Microsoftができて、MSに代わるものは出にくくなった時代があった
それと同じ

橋本

10年くらいのスパンで、ということですか

梅田

いろんな意見があっていいけど
ぼくはそう思っています

橋本

10年後でいいんですけど
もし次にGoogleみたいなものがでてくるとして、梅田さんはどう予想する?


梅田

難しいなー
Googleを倒すものがあったとして、それが会社かがわからない
オープンソースとか、P2Pとか、そういう毛色の違うものが出てきているときに、
そういうのを会社でできるかというのに確信が持てなくて


(会社でないとしたら…:橋本)
会社でないとしたら、ただ何かのソフトとか


(何かソフトというと…:橋本)
Wikipediaみたいなやつ?:山岸)


Wikipediaは集中だから違う
そうじゃなく、分散した何かがあって、ただ便利
「それで、産業は、なくなる」みたいな (うはは、シビれる:山岸)


それくらい大きな変化がないと、Google/amazonみたいな、
これからの2nd decadeのプラットフォームは強固だと思う。


そのへん山岸さんどうよ

山岸

あのレベルには急にはいけないと思う


お金の流れが変わっていく中で、どうチャンスを取るかという話なんですが、
いちおう、Web2.0であるかはおいといて、(笑)
この本の中にあった三大潮流、インターネット・オープンソースチープ革命みたいな
切り口で言うと、うちの会社はオープンソースチープ革命の2つはうけている。
PHPの日本人コミッター3人のうち2人いる


コストは劇的に安い。
GREEもやっているし、GREEで稼ぎながら、他のアプリケーションもバンバン作れる
その中から何か生まれる可能性はあるなーと思っていて、
圧倒的にコストが安くなっていることから、何かが生まれるんじゃないかと


収益源をGoogle AdSenseに依存していればそこより大きくなれないし、
そこをどうお金にするのかという話と対になっちゃうのかなと思います

第2部 質疑応答 (1)

秋山

梅田ブログの招待者の一人です。
自分もGoogleアフィリエイトとかamazon Webサービスを使ってやっているんですが、


GREEに入会したとき、GREEは何でもうけているんだろう?と思って、
レビューのアソシエイトでもうけているのかなーと思っていたんですが、
広告と、アフィリエイトのバランスってどうなのか教えてほしいというのが一点


あと、玉石混合を振り分ける技術があるといいますが、
最近Googleを使っていて、石の部分が増えてきたと思う。


最初SNSをみたとき、純粋な世界でいいなーと思った
自分の知り合いがいっぱいいる、それは正しく認証されている


いまやGREE/mixiでも、2chで言えばすぐ入れるとか、捨てIDとか、
石の部分、ノイズが増えてきた気がする
今後、どう純粋さを保っていくつもりなのかということと、


あと、フレンドパークみたいなオープンなSNSとの切り分け
その辺聞かせてください

山岸

売り上げについては、細かい金額はあれですが、
圧倒的に広告の方が大きいです。
レビューも40万件あって、結構ありますが、全然違う
本が売れた中から落ちてくるというのは、限られてくるかなと


あと売れているものを見ても、すごいロングテールで、
ベストセラーが多いわけではない
読んだ後に書いているからかもしれないけど、レビューが多いから売れているとは限らない。


一回、月に五冊売れてすごいなーと思ったら、
うちの社長の田中書いた本(asin:4584189021)だった、とか、結構そういうレベルなんで
まだまだかなという感じはします。


あと純粋さという意味では、とはいえGREEはそんなに荒れてないかなと。
変な人は入ってくる。アダルト系業者とか。
そういうとき、一時間くらいで通報があって、対応しているので
荒れにくいかな


厳密にはできていないけど、
いまの招待制の仕組みと、ユーザからの連絡で、
ある程度、やれるかな
ブログのトラックバックスパムみたいなひどいことにはなっていない

秋山

GoogleSEOとの戦いじゃないかと思う。
BMWGoogle八分とかもありましたが、
これからもGoogleは勝てるのか?

梅田

そこは勝てるんじゃないかな。
Googleが万全とは言えないかもしれないけど、
そういう倒れ方は、あんまりないような気がする。

第2部 質疑応答 (2)

金子

GoodPicの金子です

本の最後、「脱エスタブリッシュへの旅立ちの第一歩」で終わってますが
広告とか今日のテーマを、いちブロガーから見れば、
皆さんエスタブリッシュじゃないのか?と思う。


エスタブリッシュをした先、10年後の自分の生活をどう考えているのか?


梅田

難しい質問だけどー
今日の最後の答えという意味も含めて総括すると


ぼくもがんばったけど、年齢的な限界はあるんじゃないかなと思った。
前半の議論の最後も、
自分より10年以上若い人たちはもっとオプティミスティック(楽観的)にネット側から
ものを見ているとおもった。


ぼくも一所懸命、今までの世界から、はてなに参画したり、若い人と一緒に考えようとか
エスタブリッシュから表に出てこようとしている


といっても、いまの質問にあったほど、全然違うところをイメージしているわけではない。
いまこの会場にいる人の平均年齢が30ちょっとだとすると、その世代と私とはひとまわり違いがあって、
さらに20歳位の人たちと二回り違いがあって、
そこには、同じ言葉を使っても、随分違いがあるんだなーと思いました。


いまの質問の話に答えると、
「ご期待の程すごいことは考えてません」ということです(笑)

橋本

ぼくも梅田さんの脱エスタブリッシュメントの話を聞いたとき、
梅田さんは両方のことを言っているなと思った


そういうビジネスモデルはありえないと言いつつ、そういう会社に投資をしてたり
そんなに早くは動かないと言いつつ、大変化が起こるとか言ってみたり、


梅田さんには、そういうアンビバレントなところがあって、
どちらの層もひきつけているような気がします。


今日はどうもありがとうございました。

懇親会

梅田さんは、芋焼酎を飲んでいた
なんというか、この人の前で自分の夢を一時間でいいから語らせてほしい、そう思わせる雰囲気の人だった。


梅田さんのお言葉:
フォーサイトの時はフラフラになって帰って見てみたらすごいびっくりした。
こりゃやばいと思って、それについてのエントリを書いた。
一歩間違えば、超やばいことになっていたかもしれないわけだから。

ログを書いていて

R30さんは、話し方が一気貫通しているので、非常にログしやすかった
きっと、喋る前に起承転結が頭の中でできているんだろうな。

フォーサイトクラブ・セミナー「ウェブ社会『大変化』への正しい対応・間違った対応」梅田望夫さん講演ログ

 仕事を早めに切り上げて梅田望夫(id:umedamochio)さん講演に行ってきました。私はフォーサイト誌の読者ではありませんが、フォーサイトクラブ・セミナーのお知らせを読んで講演の開催を知りました。ダメモトで抽選に申し込んだら当たった次第。
 以下は私が講演を聴きながらPCのキーボードを叩いて記録したログです。


 このログをご覧になる方にお願いしたいのですが、「ここに書いてあることが梅田さんの講演内容100%ではない、内容が正しいかもわからない」ということをご承知ください。
 できるだけがんばって追いつきましたが、梅田さんのお話を正しく、完全に書き取れたわけではありません。ログを取りながら梅田さんの話の展開について行けなくて取りこぼした部分や、帰りの電車で記憶を頼りに追加修正した部分が結構あります。

 梅田さんがblogエントリに書かれたなかで、今回の話に関連すると思う話題にリンクを張っています。もしも「これは、このblogエントリと関連しているのでは?」と思う点がありましたら教えていただけると幸甚です。

 それではお楽しみください。

編集長からご紹介

梅田望夫さんです
今日の観衆は、ほとんどがフォーサイトの定期購読者だが、100名ほどブログ読者や、新聞で知った人が来ています。
フォーサイト6月号で梅田さんの論文が大きな反響を呼びましたが、
今日はその先、その大変化に対応するにはどうしたらいいのかを話して頂きます。

梅田さん登場

こんなにたくさん人が来るかとは思っていなかったので緊張してます。
みなさんの時間を無駄にしないように一生懸命やるのでよろしく。


最初に、このセミナーの存在をインターネットで知った人?
(1/3くらい?挙手)
インターネットでアナウンスがあったことを知らない人?
(1/3くらい?挙手)


大体半々くらいですかね


この2つの集団が
全く分かり合えない別世界を作ってしまうのではと思っている


なぜならインターネット集団はそれが当たり前だと思っているのでそれを説明できない
一方インターネット使ってない人は中で何が起きているのか想像できない
このままだとわかりあえない世界になっちゃうなーと
この2つの世界に少しでも橋渡しできればと思います。


後半は質疑応答なので、質問してくれたら何でも答えます。

不特定多数無限大

インターネットの進化
これまでの10年、次の十年、その先10年と進んでいく上でその本質ってなんだ


本質の本質を抽出すると、
不特定多数無限大と(を)同時に○○するコストがゼロに近づいていくこと


「不特定多数無限大」というのがキーワード


例えばテレビを放送するというのは不特定多数無限大に影響を与えるということだが、
昔はテレビ局みたいにテレビを持っていなかったらこういうことはできなかった


コストが問題
コストをいっぱいかければ不特定多数無限大に何かするというのは昔からできた
インターネットはこのコストを下げる


blogというのがあるけど
不特定多数無限大に向けてそれぞれの人が放送することが可能になっているということ


そういうことをやりたいと思ったときに1000万円かかる、500万円だと誰もやらない
100万円だとマニアがやりはじめて、もっと下がれば…
コストがゼロに近づくことがインターネットの本質

1億人から1円ずつ

子供の頃見たこんな夢
「1億人から1年に1円ずつもらえたらいいのになぁ」


素朴な子供の疑問みたいなもんだけど、こういうことをイメージしたことある
大人になるとムリと思って考えないけど


1円だったら何とかなる
例えば今日来た人に私(梅田)が1円くださいといって回ればくれるかも


でも実際に街中でやったら30人くらいでつかれちゃう


でもインターネットというのは
例えば1億人から1円集めるコストがゼロになったらどうだろう?
ということを考えられる


1億人を時間で考えると、
1万人が8時間働くと、8万時間
8万時間ってどういうことだろうと思って、働く人の数を増やしていくと
1万人の8時間というのは10万人なら48分
100万なら4.5分
1000万人なら38.8秒
1億人になったら大体3秒集めればいい


1億人から3秒集めるなんてできないよねーというのが
今までの世界の常識
いますぐはできないけど、1億人から3秒集めてきて、1万人が8時間と同じ価値のものを作ろう
こういうのがインターネット


インターネットにさわったことがない人にはピンとこないかもしれないけど
こういうことがいいたい

量子力学

インターネットで(pekeq:このあと落としてしまった)


いつもこれからどう進化していくかを考えているんだけど


ふと、量子力学の解説の本を読んでいて思ったこと
ファインマンという物理学者が
物理学(asin:4000077112)という教科書の名著を書いています。


その教科書は5巻目(asin:4000077155)から量子力学になる
1−4巻はニュートン力学
量子力学というのは非常に大きさが小さいものに対する学問


1巻から4巻でニュートン力学を学んできたその読者に対して
5巻目の冒頭で、
「諸君がこれまでに見たことのある何物にも似ていない」と書いている


今までの力学の頭で量子力学のことを読んだら、絶対わからない
「今まで諸君の読んだものとは全く違うから、丸ごと理解してくれ」と書いているわけ


ファインマンという量子力学の大家がこういう風に考えているというのが
非常に理解できる


これからの話をアナロジーで考えると間違えます
丸ごと、そういうもんかと受け入れて

ネット世界の4大法則と3大潮流

これが最近の研究成果


ネット世界の4大法則と3大潮流


ファインマンがこれまでに見た何者にも似てないと言ったのと同じで
これから言うことはこれまでに見た何者にも似てないというわけです


何故この4法則を考えたかというベースがこの3つの潮流

(pekeq:チャート上は逆順で並んでいたが、話す順番は下からだった)

1.インターネット

これはわかりますよね

2.チープ革命

ムーアの法則というのがあって、
ITの世界はこれがなかったら面白くなかっただろうなーと思います
同じ性能のものが毎年20-30%くらい値下がりする
べき乗で効いてくるので、10,20年たつと信じられない値段になる
こういうどんどん安くなるという法則が、もう40年ITの世界では続いてる
つまり不特定多数無限大というののコストがどんどん下がっている

3.オープンソース

自分がアメリカに渡った後、この11年の経験の中で一番不思議だった
インターネットにソースがおかれると、その向こうにいる人、不特定多数無限大の人が
そういうのを発見して、面白いからいじってみようかなという人がどんどん出てくる
そうするとMSみたいに金かけているものよりもいいものができちゃう


昼間は別の仕事をしてよるちょこっと趣味でソースを書く人がいて、
インターネットがそういう人の力を集積する


オープンソースというのは、不特定多数無限大に開かれたインターネットの性質を
証明した最初の例だと思う
これからどうなるんだろという不思議な予感がする


若い人にとってオープンソースでものが作れるんだというのは自信になっていると思う
企業が強制力を使わなくてもすばらしいものができるという例示


最近のUSで話題になっているのが、
不特定多数無限大の人が、自発的に協力
すると何ができるんだろう? というコンセプトが多い


この3つの要素が閾値をこえて、以下の法則ができてきた

  • 第1法則:神の視点からの世界理解
  • 第2法則:ネット上に作った人間の分身が金を稼いでくれる新しい経済圏
  • 第3法則:(≒無限大)×(≒ゼロ)=something
  • 第4法則:オープンにすると何かが生まれる
第1法則:神の視点からの世界理解

人間一人一人は神の視点はもてない
人は飛行機に乗っても鳥の視点になれない


ところがインターネットというのはその向こうにいる不特定多数無限大の人が何をやっているかというのを見ようと思えば見れる
googleというのはサーチエンジンで、キーワードを入れるとマッチするページが出る


googleが持っているシステム:世界中のサイトに何が書いてあるかを神の視点で把握している
把握しているから検索すると0.5秒でぱーんと返してくれる


神の視点で検索するというのを創業7年くらいの会社がしてる
インターネットの会社というのは多かれ少なかれ会員が何をしているか記録しているし見ることができる
この性質は、リアルの世界ではどこにもない

第2法則:ネット上に作った人間の分身が金を稼いでくれる新しい経済圏

僕らみんなリアルな世界で生きている。働いてる
ところがインターネットの上にサイトを作るというのは自分の分身を作ること
分身は24時間活動できる
プログラムを書く、あるいはかかなくても何かをすることはできる(pekeq:アフィリエイトとか?)


最近の自分の分身をインターネットにおく
blog作る、サイト作る
そうすると金儲けができる


自分の分身をインターネットに
すごくいいかげんにやっても1日100円稼げる
そんなにないかな。でも1月3000円か。そんぐらいはいけると思う
1日1000円は工夫しないといけないけど


月に500円くらい稼ぐような話題は日本みたいな先進国だとあんまり話題にならないけど
でも発展途上国なら月に$30とか稼いでくれるとしたらえらいことだ


先進国だとはぁ?てな感じだけど、発展途上国だと大ニュース
だからそういう国の人は興奮してる
(pekeq:RMTとか?)

第3法則:(≒無限大)×(≒ゼロ)=something

消えて失われていったはずの価値の集積


無限大からゼロに近いものを集める


1億人から3秒集めたら、1万人が1日働いたのと同じこと
普通、3秒というのは消えていくだけの時間
その価値を集めることができるようになった。


価値を集めるのにコストがかかったら集めようと思うやつはいない
1人から1円集めるのに10円かかったら損するだけ
でもインターネット、ムーアの法則でコストがどんどん下がる


まだ効率はすごい悪いけど、できるかもしれない
そういう仕組みを作ったらすごいことになるかも

第4法則:オープンにすると何かが生まれる

日本企業とは正反対(クローズにしようとする)


オープンにすると、どっかの誰かが知らない間に何かできてくる


私は野球が好きで
フィールド・オブ・ドリームスという映画があって
その中のセリフ:if you build it, they will come
「場を作れば何かが生まれる」


20代の人は体で結構わかっていることが多い
旧世代の人にはいくら説明してもわかってくれない
いつもやってるから、わかってくれないことがよくわかる


オープンにするしないというので軋轢があるんですよね



これらのキーワードを憶えて帰ってくれればもとはとってもらえたかなと

Google

こういう性質を全部集めたのがGoogleという企業
(pekeq:でもGoogleってオープンかなーー??)

詳しい話はいまはしませんが


総表現社会

(pekeq:切り替わり直後を落としてしまった)

総表現社会の到来
プロフェショナルとは誰かを認定する権威の交代
(富の分配メカニズムもシステムが内包)


これまでは自分が作ったものとか、考えを見てもらいたいというのは
限られた人に許された特権


メディアというのがその中の中核
出版、テレビ


メディアというのが表現できるプロフェッショナルを認定していた
新聞記者、音楽家、何にしてもメディアが誰が表現して良いかというのを認定する権威だった


これをテクノロジーというのが変えようとしている


日本で1億人のうち、表現できる立場にいる人は1万人くらいじゃないだろうか。
新聞記者、その他表現できる立場にある人


1億人のうち1万人というのは1万人に一人 そういう人はすごい人なのか?
そういう人は1万人に1人のすごい人という存在、天才ではない。


世の中で表現できる立場にいる人は、いままで単なる偶然でそこにいるだけで
能力的に優れているわけではないわけ


例えばここにいる人みんなが表現を許されたとしたら、
今までよりすごいものがどんどん出てくるんじゃない?


そういう考えから我々は遠ざかっている。
学歴社会とか、出版社に認めてもらってとか、音楽大学出るとかしないと認定されない


でも人間の能力というのは多彩で、もっと表現できる人はいっぱいいるかもしれない


こういう人がみんな表現できるようになると、
総表現社会になる


総表現社会になったとしても、我々の時間は有限
それでも総表現社会になっていく理由
500万人がわーわー言っている中で、いるもの・いらないものを振り分ける技術が進んでくる
総表現社会の中から、自分にあったものを抽出してくれるテクノロジーがあれば
今までよりもっと素晴らしい面白いものが見られるのかも


テクノロジーによる抽出というのは、
今回主催されている新潮社とか出版社には恐ろしいけど、みんなには素晴らしいもの

ネット新時代に対応するための7原則

ネット新時代に対応するための7原則

皆さんの手元にコピーがあるよ

  • 1.アナロジーで考えてはいけない
  • 2.「ムーアの法則」を信じ、「おっちょこちょい」であれ
  • 3.Only the Paranoid Survive(アンディ・グローブを思いだそう)
  • 4.「時間の使い方の優先順位」を変えないと何も変わらない
  • 5.新しい現象に対し、「古い感覚を総動員した理論武装」で戦うな
  • 6.若い人に教わることを忌避するな
  • 7.Never Too Late
1.アナロジーで考えてはいけない(ファインマン先生を思い出そう)

例えば、それはセブンイレブンのシステムと同じじゃないかとか
似ているところはあるけどそういう風に考えないでほしい


頭のいい人ほどアナロジーで考えて結局本質をわからない
丸ごと信じて

2.「ムーアの法則」を信じ、「おっちょこちょい」であれ

若い人に聞いて欲しい


ムーアの法則
3年で4倍ぐらいというのを信じると、すごい可能性が広がってくる


今は高くて買えなくても、何年かたったら買えるなーと


尊敬するベンチャーキャピタリストが言っていたこと
「自分がやってきたことはムーアの法則を信じて、ちょっと頭を使っただけだ」


ムーアの法則を信じるというのは
今はできなくてもいつかできると信じていくこと


こーゆーことが実現するだろうなと思った10個が実現するかと言えば
そのうち1個くらいしか実現しない


1個しか実現しないよーと思って追わないのが普通の人
10個実現すると思って全部追っかける、で9個はスカでもやるひとがおっちょこちょい
そういう態度でやってほしい

3.Only the Paranoid Survive(アンディ・グローブを思いだそう)

アンディ・グローブ
paranoid - すごい心配性


ほとんどの人は1つ前のルールで生きているから、
これまでOKだからこれからもOKじゃない?と思ってる


どうもこれダメじゃない?ダメになるんじゃないかな、いずれ古くなるんじゃないかなー
という心配性な人でないとITでは生き残れないというのがアンディ・グローブの言ったこと


これがIntelの会社の考え方


こういう考えがないと生き残れない。

4.「時間の使い方の優先順位」を変えないと何も変わらない

じゃー何か変えようと思ったときに、
明日からどうすると思ったら、思うだけだと何も変わらない


一番大事なのはお金ではなく時間の使い方を変えること


梅田例:
いまフォーサイトの連載10年目


2002年にパラノイアになって
今までと同じ生き方をしていては10年先につまらんない人間になっちゃう
時間の優先順位を変えた


フォーサイトは歴代の編集長と仲が良かったのでやめなかったけど、
時間を取られる既存のメディアにかくのはやめた
自分より年上の人と会うのはお金をくれるときだけだと決めた(笑)


でもできるだけ自分より年下の人といっぱい会おうと思った
毎日blogを書くようにして、続けてる
そういうのがウケているから今日も人がいっぱいきてくれたのかなー


いくつかの仕事をやめて、NPOを作った
今日も何人か仲間が来てます。
若い人がUSでも活躍できるグローバルに活躍できるように
1万人というのはアイキャッチだけど、春・秋に20人くらい若い人をシリコンバレーに呼んで
仲間達と一緒にいろいろやってる


はてなの取締役をやってます。
日本でもっとも面白いベンチャー


はてなの取締役になることができたことを
年上の人からは、まー当然ですよねーと言われるけどそれは違って
若い人と一緒にやっているからはてなの取締役として選んでくれたと思っている
数ある大人の中から自分を選んでくれた。それがうれしかった

5.新しい現象に対し、「古い感覚を総動員した理論武装」で戦うな

フォーサイト読者に言いたい
読者は一つ前の世代で最も優れた人が多い
一つ前というと失礼だな。今の世界でもっとも優れた仕事をされている方々


一つ前の世代で最も優れた人が、新しい世代でもっともやっかいな人になる


これがもう大変な問題
自信があるから何でもわかるとおもっているんだけど、
一つ前の考え方で理論武装して戦ってくる
これがえらいことだ。


これが大変なパラドックスになっていて、ここをどうにかしないと
時間の優先順位を変えて、一番大切なものを捨てなくちゃいけない

6.若い人に教わることを忌避するな

若い人に教わること
はてなに入って、どんだけ若い人に教わっただろう
教えることもあるけど、学ぶことの方が多い


前世代は次世代に教わらなくちゃいけない。
でも前世代は絶対にそういうことをしない。


以前やった仕事で、講演することになって、若い人を入れてくれとお願いした
話すときに、一番若い人誰ー?と聞いたら23歳だった。大学出たて
終わった後、日本だと、質問というのは年上からしてくる
そうすると、若い人がこいつはなんてバカな質問してるんだろうという顔をしている


最後に23歳に感想を聞いたら、
全部知っていることばっかりでつまんないことでしたと言われた


最後、トップの人にシリコンバレーから自分を呼ぶんじゃなくて、
この人に聞けばいいじゃない?と言ってしまった


どうしても上の人から下の人をみるとダメに見える
上から見れば下は絶対ダメな部分はあるけど、そこから教わらないと

7.Never Too Late

で、こういうのはNever Too Lateですから
今からでもやりましょう

講演終了

休憩時間
バッテリー残量64%
内容drop率20-30%くらい? 早口でバンバン進んでいたのでキーボードの回転がおいつかなかった

そんな話題が細かく変わる中で、はてなの話題をすごく大切な感じで話していた


この間に質問の回収があった。

質疑応答

編集長:
このビル9時にしまっちゃうんです。
時間押してます。(いま8時15分)
8時50分まで質疑応答やります

Sさん

質問:

日本的企業に勤めてます
質問なんですけど、シリコンバレーに長くいらっしゃるそうなんですが
ぼく今27歳なんですが
20代くらいのシリコンバレーの若者と、日本の若者の違い
日本人特有の特徴とかありますか?

梅田さん:

いきなり難しい質問でーー
シリコンバレーにいる人と日本の人の一番の違いは、
シリコンバレーの人の方がものはあんまり知らないかもしれないけど積極的に何かやろうとする
日本の人は全部勉強しないと何かやっちゃいけないと思ってる


シリコンバレーの人は、全て知らないと自分を表現できないとは思っていなくて、
面白いと思ったらどんどんやってく
日本の人は、欠点をなくしてからその上に表現しないきゃいけないと思ってる
表に向かって発信しない、バカって言われたら恥ずかしいと思ってる


ポテンシャルは変わらないと思ってます


シリコンバレーのひととか、表現していることは実はたいしたことがないことも多いんだけど
どんどん出す
日本の人はまじめで、全部勉強しないといけないとおもってる

次の人

質問:

デジタルデバイドと言われますが、高齢者がそれに当たると一般的に思われていますが
10,20代の若い人にPCいじれないとか、インターネットを知らないとかいう人もいる
学校で話をしていたらblogを知らないとか言われた(私は教員ではないですが)

梅田さん:

それは深刻な問題だと思っていて、インターネットを知らなくてもいいんだけど、
ITやインターネットは能力増幅器。自分でやりたい人はどこまでも延びていく


それを徹底活用して、いけるところまでいこーぜーという人と、
先まで行く気がぜんぜんない人


私が若い人いい、というのは前者の人
一方、言われたことだけやってもいい大学が出られちゃう時代なので
こんないい大学出てるのに、こんなこともできないのかーという人もいる
そういうのが問題だと思います。

Kさん

質問:

blogも読んでますがFaceToFaceで話を聞くと説得力が違う
シリコンバレーが発展してるのもそのへんなんでしょうか

梅田さん:

シリコンバレーシリコンバレーたるゆえん
反骨精神。シリコンバレーにあるのは反骨、反体制、反establishment
新しいものをおもしろがって
権威が交代するのを喜ぶ。それをテクノロジーが実現するような
カウンターカルチャー
そういう中からApple, Googleが生まれた


既存ものを壊そう。それは正しいことだ
そこに金、人が集まってくる


シリコンバレーの機能というのは日本だったり中国だったりEUにもあるんだけど、
どっかでチキンなところがあって、別にぶっこわさなくても
自分がこの世界の端っこにいればいいじゃんとか思うんだけど
シリコンバレーにはいけるところまでいこーぜーという感じがある

Mさん

質問:

選挙関連
梅田さんのblogの中で、
blogが力を持って、選挙屋さんが驚くようなことになるんでは?と書いてあったが
どうよ?

梅田さん:

影響出たと思う。
政治のプロの人が、小泉さん自信は総選挙に出る際に絶対勝つと思っていたけど、
最初は誰も(どの政治のプロの人も)そんなこと信じていなかったと言っていた


私は小泉圧勝を予測してたんですけどね
今更言ってもしょうがないけど(編集長さんから、そういうメールをだいぶ前の段階でもらいましたとフォロー)


いろんなblogをみると、みんな小泉支持
普段は反自民なのに、今回は小泉だといってる


総表現社会
1億人いるとしたら、総表現社会の担い手としては1000万人はいるのでは
残り9000万は読む人
いまblogを書いているのはその1000万の人
その人々が周りや家族に影響を与える


そういうひとのほとんどが、かなり早い時期から今回は小泉だといっていた
これはえらいことだと
でも選挙屋さんは1万人の目線でみてるからわからない。

Kさん

質問:

googleについて
みんなの意見をテクノロジーを使ってリストアップしていく
梅田さんの言葉だとそのテクノロジーを使ってランク付けされた順位が常に最善だという感じだけど
でもその順位を操作して、世をリードする可能性があるんじゃないかと
googleならgoogleという組織を玉石混合から玉だけを抜くものとして信用していいの?

梅田さん:

googleというのは大変な怪物となる
情報を全部押さえてしまう
そういうパワーがあるというのに気づいている人は日本では少ない

余談だけど、
将棋の羽生さんと半年前に食事したとき
将棋ファンだから嬉しくてしょうがなくて、でも将棋の話ばっかしててもあれかなーとおもって
彼に自分の書いたものを送った。
こういうのをクライアント企業でもなかなか理解してくれないんですよーと送ったんだけど、
羽生さんはよくわかりましたと言ってくれた

で、羽生さんからすごい鋭い質問があって、

こんな質問はIT業界の中からは聞いたことない。羽生さんイイ!

Oさん

質問:

私は若くもなくフォーサイトの典型的な読者層でもないんですが
ネット社会の中で分身が金を稼ぐ経済圏ができると、いう話だったんですが
そういうのができると今あるリアルの経済圏との関係ってどうよ。

梅田さん:

併存するでしょう。
ネットの方が半分にいくことはないでしょう。
半分以上はリアル。ネットが半分いくのも大変だと思う


USだといまダブルインカム、2人で稼がないとリスクが大きい
これからquad incomeになるのでは
お父さんのリアルとネット
お母さんのリアルとネット
この4つを会わせてやっと生計が立つ時代になるんじゃないかと
そうすると息子さんがもっと儲かるサイトをネットで立てて、家庭内のパワーバランスが崩れるとか(笑)
そういう時代が来るんじゃないかな

Kさん

質問:

自動車関連の会社に勤めてます
今後10年20年に、車とネットで想起するようなことってありますか?

梅田さん:

案外変わらないんじゃないかな
ネットの影響を及ばさないものもある
ネットと車というのは、みんなの考えているより影響がないかなーと思う
うそですけど、そういう気がしてます


アメリカに住んでるとそう思う。
アメリカって日本みたいに少しづつ進歩する国じゃない
30年前の映画を見ても今と全然かわってないこともある。


日本はムリにでも結びつけようとするので、
無理矢理進化させていることがある。


ぼくはクルマとネットは(pekeq:dropしてしまった「あんまりリンクしないんじゃないかと思う」、だったかな)


USにきてケチャップのビンを見ると、
どうしてケチャップのふたというのはなんで進化しないんだろうと思う


うまく出ないからバンバン振って、どどっと出てくる → ハインツ儲かるウマー


日本は技術者が自己実現のためにやる


例えば、ラー油の瓶のふた。1滴ずつポタポタ出てくる
これもっと出た方がいいんじゃない?ドバっと出た方が儲かるんじゃない?と


最後にはラー油のふたにインクジェット技術を使う奴が出てくるかも(笑)


日本は(pekeq:dropしてしまった「強引に進化しちゃう」みたいなことだった)
アメリカはクルマはただ移動するだけのものでありつづけると思ってたり

次の人

質問:

日本の変化はUSに影響を与えることはあるか?

梅田さん:

日本は進みすぎ。IT立国とか言って
ありとあらゆるところでラー油のふたみたいなことが起こってる


確かに先進的マークとではあるが、
それを世界にもっていけるかというと、どうかなー


米国人は電話はかけられればいいし、と思ってる
最近の若い人は日本でどんどんイノベーションが起こっているとかいうけど、
それがワールドワイドにいけるかというとちょっと


日本よりアメリカの方が遅れてるといった話


日本だけがパラダイス的にすごい
東京に帰ってくると、なんでここが進化してんの?もういいのに。と思うことがあります

次の人

質問:

総表現社会において正しい・間違った情報が出てくるだろうけど
そういうのはどうやって担保されるんでしょうか?

梅田さん:

哲学的な世界観なんですけど
若い人は世界は49対51で正しいことが勝つとおもってる


日本のエスタブリッシュメントの人は、
ひとつ悪いところを見つけて全部悪いというけど


インターネットは真っ白にならない
でも、最後の最後で、ギリギリのところで善意とか人間のいいほうのことが
勝つという世界観が、インターネットに住んでいる人は実感してるんじゃないか


その実感というのを次の世界の人に、
日本の全てを支配しているエスタブリッシュメントの人はわからない
今日は話をきいてわかったと思っても明日起きたらわからない


blogを書ける。コメント書ける
ひどいことになることもあるけど、最後は収まる


炎上する人と収束する人をみると、その違いに
これからの世界を生きていけるかどうかの違いがある。


編集長の人:納得したひと、手をあげてくださいー 結構手があがってきたけど、明日の朝になったらどうでしょうね

次の人

編集長:若い人からの質問は梅田さんの人生観についてが多いです

質問:

捨てたもので大切なものは?(pekeq:おれの質問だ)

梅田さん:

捨てたものは
日本のエスタブリッシュメントの人たちのつながりかもしれない。
お金もらわない年上の人と会わなくなったら、結構なつかしくなって会いたいとか


日本のestablishmentはすばらしい。だからこそ私もそこにいた
でも新しい時代になってそこを減らした
イヤで減らしたわけじゃないから、やっぱりもうちょっと関係があってもいいかなーとも思う


でも時間は有限だから、それはできない。

質問:

古い感覚で判断しちゃだめというが、判断する上の基準は?

梅田さん:

なるべくおっちょこちょいであろうと
小さな芽が大きくなったら面白いかなー
育ったときに自分がいたいかなー
そういう目で見てます。


この小さな芽は育ってもあんまり関係なさそうだと思ったら
見てはいるけどかかわらないようにしてる。


小さな芽を説明すると、なんでそんなことに興味持ってるんだかわかんないとか言われる
でも、これまでの経験とかシリコンバレーの経験とかが私の中にしみこんでいて、
そういう判断ができるようになったんじゃないかなーと思う。

おしまい